2012年08月02日

NO.14 君は現代の新渡戸稲造になれるか−Who is a next Bridge between Japan and Australia?

「9:45-10-45 11:00-12:30 (lunch break 12:30-13-30)  13:30-15:30」

 CELTの授業はこの時間帯で行われます。え?一度に1時間半も2時間も?ですよね。でも、この時間内にアクティビティあり、会話練習あり、リーディングあり、ビデオ視聴ありとバラエティに富んだレッスンが展開しますから、飽きることはありません。「授業、長くてつかれるでしょ」と問う引率者に、「楽しいですよ」と応える研修生。生徒にそんなことを言わせられるようになりたいものだ・・・おっと、独り言がもれました。失礼。

 ところが今日は、午前中の授業が10:30で終わりました。Staff RoomにもどってきたAnna先生が“This afternoon will be wonderful for students.(今日の午後は楽しいわよ。)”。“Sure. It’ll be fantastic and fruitful.(だよね。すばらしい経験ができると思うよ)”と引率者が応えます。これからバスで地元のWilleton Senior High Schoolを訪問し、日本語を学ぶ生徒たちと交流するのです。

 バスで南に30分ほど。到着したWilleton S.H.Sは学習面でもスポーツでも数々の輝かしい成果を挙げる地元公立高校の雄。生徒の皆さんの落ち着いた様子からもすばらしい学校であることが一目でわかります。この広大な敷地に1800名の生徒が自分たちの興味関心や進路にあわせ、さまざまなコースに分かれて学んでいます。ちなみに、WAのS.H.S.ではYear8(日本の中2相当)からYear12(同高3相当)が在籍します。
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電光掲示板つきの校名版                    広々とした校地

 最初に歓迎式典として、Chris Booth校長先生にご挨拶をいただいたり、英語科のAnnie Girard先生からW.S.H.S.の概要や生徒の様子をお話いただいたりしました。先生方が生徒や学校に愛着と誇りを持って教育活動に尽力されていることが良くわかります。こんな学校で学ぶ生徒さんたちはどんな感じなのだろう・・・引率者も教員として、俄然興味がわいてきました。
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校長先生のご挨拶                        Annie先生の講話 

 ということで早速、授業に。昼食の前に1時間・後に1時間、10年生(高1相当)日本語の授業に参加し、一緒に学びます。昼食前のクラスでは、グループに分かれて自己紹介をしたり、質問シートにしたがって会話を展開したりします。「朝は何時に起きますか。」「朝ごはんは何を食べますか。」「学校にはどうやって行きますか。」というきわめて初歩的な会話から始めますが、答えの中身となると、些細なことでもその相違が互いの興味を引くようです。「え?朝にそんなに食べるの?」とは日本の豊かな食生活へのオーストラリアの生徒たちの素朴な驚き。何気ないやり取りから、互いの生活習慣の違いを話し合える仕掛けが作ってあります。
 
 この授業の担当者のNathan Harvey先生、実は昨年、WAの最優秀日本語教員として表彰された大変優れた先生です。「おめでとうございます」と申し上げると、「いやいや、すいません」といいながら顔の前で手を振り、何度も頭を下げるNathan先生。日本語が流暢になると、動きまで日本人のようになるから不思議です。P1000890.JPG  P1000907.JPG

 昼ご飯を食べて、少し慣れてきた2時間目。お約束の自己紹介の後は、漢字の読みと熟語の意味の学習です。前で先生が掲げるカードの漢字を見ながら、日豪共同でグループで正解を答え、グループ対抗ゲームさながらに授業が進みます。「とも(友)、たち(達)、あわせて、ともだち(友達)」「とも(友)、ひと(人)、あわせて、ゆうじん(友人)」。3種類の文字を持ち、訓読み、音読みの無数の組み合わせがある日本語の複雑さに、あらためて驚いてしまいました。
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 引率者も前でカードを出しながら説明する教師役に抜擢(!?)されてしまいました。今日までの教員生活の中で、日本語とはいえ言語を教えるのは初めてです。まさかこんなところに、こんなフレッシュな経験が待っているとは・・・。「上(うえ)」「下(した)」などのカードを掲げ、「合わせて何と読みますか?」“Right, じょうげ、ですね”。若者の熱気と授業担当のRobbie Poole先生の勢いに押されながら、1ヶ月ぶりの授業です。新米みたいに、変に緊張してしまいました(汗)。
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 次は「Cool English」と「かっこいい日本語」を教えあうという課題。Robbie先生はなかなかのアイデアマンのようです。当初は恥ずかしがってなかなか話を切り出さない両生徒。「What’s up?っていうより、Wass’p?のほうがかっこいいよ。で、I’m fine thank you.なんて答えないで、Cool.のほうが今風。」とW.S.H.S.生。「ハンサムのことをイケメンて言うんだ」と祥雲生が返します。うんうん、その調子。

 さて、他のグループは、と思って見回っていると・・・。“Do you know ‘Stalker’?”「え?あ、日本語でもストーカーって言うけど、一緒?」“A person who follows someone・・・(誰かの後を追いかけていくひとのことだよ。)”「あ、一緒、一緒。」

 ストーカーって、Cool Englishか?日本語でも決していい意味ではないし・・・。

 「『めっちゃ』はやばい。『ほんまにめっちゃすごい』とかいうし。やばいも、やばいくらい使う」
「Meccha?」

 「めっちゃ」はただの関西弁でしょう。「やばい」もかっこいい日本語か?でも、そんなことはお構いなしに日豪共に満足そうに会話が進みます。「『ヘン顔』means a funny face.」と説明し、日豪そろってヘン顔をする生徒たちには、引率者も思わす爆笑してしまいました。そして、祥雲生は英語を、W.S.H.S生は日本語を使ってコミュニケーションするように、というはじめの指示もあらばこそ、両言語入り乱れ、笑いの絶えない交流が展開されます。
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ヘン顔のフォト・ジェニックたち

 Ninja(忍者)とかIchiban(一番)とかがCool Japaneseと思われていた時代は遠い昔になりにけり。ふだんはClassroom Language(教室内だけで使われる学習言語)となっている互いの言葉。しかし、若者同士は英語・日本語を超えた「現代語」での心の通わせあい、時間を忘れて盛り上がっています。その姿を見て、何やら不思議な感覚にとらわれながら、ほんの少しだけ若さへの羨望の念も抱いてしまいました。

 最後には写真を撮ったり、メアドの交換をしたりして尽きない名残を残しつつ、当校を後にしました。新渡戸稲造が日米の架け橋になるといって太平洋を東西につなぐ努力をしました。しぐさもどことなくAUSSIEっぽくなった研修生の中から、太平洋の南北の架け橋として日豪関係の要になる人材が育ってほしいな、と大きな夢を抱き、高揚感を抑えながらバスに揺られた引率者でありました。
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 さて、西オーストラリア州での海外研修もいよいよあと1日となりました。明日はCELTでの卒業検定・プレゼンテーションの後、修了式、Farewell Partyが予定されています。その後、homestay familyにさよならを言って、夜にこちらを出発、土曜日の午後には関西国際空港に到着します。送迎バス利用組みは夕刻、学校に帰着する予定です。プレゼンが上手にでき、Matt先生から修了が認定されれば全員を連れて変える予定ですが、万が一の場合はご了承・・・くださいますか?

 ところで、ブログ「2012海外研修」としてNO.4からNO.14までを現地よりご報告してまいりましたが、Perthからのアップロードは今号をもって一区切りとなります。まだまだお届けしたいのですが、明日の朝宿舎をチェックアウトすると、引率者はネットのつながらない環境におかれてしまうのです。(ちなみに、ネットがつながらないだけでなく、夜8時過ぎまで居るところがないNomadicです。)おそらく、次にブログで行動報告できるのはHong Kong国際空港ではないかと思います(が、確約はできません)。悪しからずご了解下さい。

 毎日書き終えるたびに「下手の長糸、上手の小糸」の言葉が脳裏を横切ります。長々と言葉を羅列したわりにわかりづらく、何を言いたいのか伝わらない文章を反省するばかりです。だらだらと書く、私の悪い癖です。それでも引率者にとっては一日を振り返り、研修生たちの成長や研修の意義を振り返る大切な時間でありました。同時に、親御様のお気持ちがこめられたコメントは、大変示唆に富む内容で、私自身が励まされておりました。もちろん、親御様以外の皆さんにご愛読いただいていたことも承知しています。ここまでお読み下さった皆様、コメントをいただいた皆様、本当にありがとうございました。

 なお、帰国後、最終日のご報告と研修全体の総括をアップする予定にしています。引き続きお付き合いいただけましたら幸甚です。

N.Miyashita@Perth
posted by 三田祥雲館 at 21:41 | 兵庫 ☀ | Comment(14) | 海外研修

2年次探究基礎「環境と人間」講座ビオトープ班の活動報告

2年次探究基礎「環境と人間」講座ビオトープ班の活動報告です。

祥雲館に「メダカの学校」を作りたい! 「環境と人間」講座ビオトープ班の生徒たち5人は長い間手入れされずに放置されてきた本校里山駐車場の隅にあるビオトープ整備に取り組み始めました。
これまで、キリンビアパークのビオトープを見学してお話を伺ったり、人と自然の博物館の田中哲夫先生にご指導をいただいたりして勉強してきたことを踏まえて実際の整備作業に着手しました。

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  刈り取る前のビオトープ

(1) 7月25日(水) 
  1回目の刈り取り作業中!
20120802_03.JPGこれまでの学習から、今回ビオトープ一面に茂っている蒲(がま)を除去する活動を行いました。根から抜いてしまうと底の粘土層に穴が開いて水が地面に染み込み、水位が下がる恐れがあるとご指摘いただいたので、根元に近いところからハサミで刈り取ることにしました。園芸実習の授業で使う、長い柄付きの剪定バサミをお借りして手作業で少しずつ刈り取っていきます。5人揃える時間の都合で日中の作業になったため、気温も湿度も非常に高い中で行いました。底には思った以上に泥土が溜まっており、長靴がとられて思うように作業が進みません。おまけにトノサマガエルが大量に出現し、カエルが苦手なHさんは顔が引きつり気味。さらには刈り取った蒲を退けると筆者の目の前を泳ぐ体長1m以上あるヘビ!! メダカ以外にもたくさんの生き物が生息しているんですね。(正直焦りました!)

 こうしてみんな汗だくになり1時間半以上作業した結果、全体の6割強ほど刈り取ることができました。暑さで意識が朦朧(もうろう)としていた6人でしたが、作業後の冷たいスポーツドリンクでようやく生き返りました。

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 蒲の旺盛な生命力 

(2)7月31日(月)

蒲刈り取り作業第2弾を実施しました。先週刈り取った2日後にはもう切り口から新たな芽が伸びてきており、蒲の恐るべき生命力を目の当たりにしたからです。

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  2回目の作業中!

好天続きで水が減っているため、前回刈り取れなかった範囲も作業ができました。今回は「蒲を刈り取ると蒸散による水の減少を抑えられるか?」という実験も併せて行ったため、化学実験室でメスシリンダーに計量した水と蒲の葉を入れたりしなければならず、思いのほか時間がかかってしまいました。途中、生徒の一人が転んで池にハマッてしまうというアクシデントがありましたが、それにもめげず今回も1時間半以上刈り取りました。2回とも過酷な作業だったにもかかわらず、長時間にわたって積極的に作業する生徒たちの取り組み姿勢に感心させられました。しかも驚くべきことに、班員のうち新生徒会で役員を務める生徒たちはこの作業のあと、夜から「祥雲文化セミナー」の運営スタッフとしてさらに活躍したようです。彼女たちの意欲と行動力には本当に脱帽です。

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ビフォー                           アフター(こんなに刈り取りました)
posted by 三田祥雲館 at 10:09 | 兵庫 ☀ | Comment(1) | 祥雲の舎窓〜探究学習