閑話休題。オーストラリアには独自の進化を果たしたユニークな動物がたくさんいます。カンガルー(kangaroo)の赤ちゃんがお母さんのおなかの袋から顔を出すかわいらしい姿は良く知られています。同じように、コアラ(koala)やウォンバット(wombat)なども、おなかの袋で子どもを育てる有袋類(marsupial=pouched animal)なのです。カンガルーの類以外は早い時期に袋から出てしまうのであまり知られていませんが。
それから、哺乳類なのに卵を産む「単孔類(=monotreme)」というのもこの地域独特の動物です。カモノハシ(platypus)が比較的有名ですが、全身を針のような硬い毛で覆われたハリモグラ(echidna)などは卵を孵化させておなかの袋で哺乳するという種類の単孔類です。あとはダチョウに似たエミュー(Emu)などの鳥類もオーストラリア固有のものです。

で、ロンボク海峡と何の関係があるか、ですか?何でインドネシアなのかって思いますよね。実は・・・
生物地理学上、ロンボク海峡を境に以西を東洋区、以東をオーストラリア区と呼んでおり、有袋類や単孔類はオーストラリア区の固有とされているのです。有袋類の一部は小スンダ列島やパプアニューギニアなどにもすんでいます。ちなみに、この境界線は提唱者であるイギリスの博物学者ウォーレスさんの名前をとって「ウォーレス線」と名づけられています。
再び閑話休題。というややこしい話は終わりにして、ここからは今日のミニ遠足「カヴァシャム・ワイルドライフ・パーク」のレポートを・・・。
カンガルーにえさをやったり、

ウォンバットと写真を撮ったり、
コアラをなでたりと大はしゃぎです。なかなか触れませんからねぇ。
バスの中だって、ノリノリです。
しかし、楽しい中にも学びの仕組みが忍ばせてあるのがCELT流。生徒たちは授業の中で各自が探究主題にする動物を設定しており、目下、研究中なのです。だから、さっきまではしゃいでいても、自分の研究対象の前に来ると「the祥雲生」に早変わり。真剣なまなざしで色や大きさを確認したり、行動を観察したり、当園のガイド・Peterさんに質問したり。研修開始当初は頼りなかった研修生たち(失礼)が、頼もしくなったと実感する瞬間です。
探究の成果については、次週金曜日に卒業検定としてプレゼンテーションをします。当然、英語で、です。さて、どうなりますか・・・。
三度の閑話休題。男子サッカー・スペインVS日本戦の勝利、本当にすばらしい。外国にいると日本のそういう活躍が本当に誇らしく思えます。え?遠足とサッカーと何の関係があるか、ですか?ですよね。実は・・・
このサッカー戦の結果は遠足の帰りがけに同じくCELTに短期研修に来ている韓国の男子高校生から教えてもらったのです。ますます???ですか?
実は今日の遠足は“Whole School Excursion(学校全体の遠足)”で、世界各地からCELTに留学している学生たちが大型バス3台に分乗して出かけたのです。そのうちの一人であった彼は大阪や和歌山など関西を中心に何度も日本を訪れ、大の日本贔屓。私たちを見て喜びをわかち合おうと話しかけてきたのです。「本当にCongratulations!おめでとう。すごいね。Great.良かったね。」と日本語も英語もまぜこぜで話しかける彼に思わず「Thank you.カムサ・ハムニダ」。
話しているうちに何だか良くわからなくなってきましたが、これがMulti-Culturalism(多文化主義)の国・オーストラリアの真髄、Multi-NationalなCELTに留学するよさなのです。このとき私たちの隣では、中国人がスペイン人に英語で話しかけていたり、台湾人と韓国人が写真を撮り合っていたり。世界の若者は国境を軽々と飛び越え、新しい価値観・世界観を築いているようです。
明日は週末。生徒たちはhomestay familyと一日中一緒に過ごします。Have a lovely weekend, guys!! 日本の皆様も良い週末を。
N.Miyashita@Perth
この1週間で子供たちは今まで得たことがないぐらい濃縮した体験をしているのが羨ましくもあり誇らしくもあります。世界観も広がっていくことでしょう。
明日はオリンピック開幕です。
それを異国で迎えられるのもhappyですよね。
正直息子が出発して2日程は、なんとなく寂しくて、何も手につかず、先生が送って下さったコメントを日に何度も読み返しては、写真を覗き、息子の気配を探しておりました。と言葉にすると子離れ出来ていない親バカみたいで大変お恥ずかしいのですが・・・
でも、無事Homestay先から時間通り学校に着いたというコメントを読ませていただいた時から、安心して私自身も日常生活に戻ることが出来ました。
引率していただいている先生をはじめ、CELTの先生、Homestay Familyの皆さまには本当に心より感謝しております。子どもたちがわからないなりにも英語と格闘しながら、楽しくいきいきと毎日を過ごせている様子が手に取るようにわかって・・普段の祥雲生活の方が謎だらけなだけに・・・ふふふ・・・本当に有り難い気持ちでいっぱいです。
また、先生のコメントには、愛があふれてて(誤解じゃないですよね!?)去年の海外研修の記事もくまなく読ませていただき、一人感動の涙を流しました。
本当に子どもたちがうらやましいです。私も参加したいです。多分子どもたちは今、遠いオーストラリアの地で、英語のみならずいろんなことを学び、発見し、吸収し、どんどん成長していってくれていることと思いますが、たくさんの方々の支えがあってこその自分があることを気付く機会でもあって欲しいと願わずにはいられません。
そして、あわよくばこれからの生き方を考えるきっかけの一つであってくれれば・・・親の欲は際限なく深いですね。
すみません。最近文章を書く作業をしていないせいで、拙文お許し下さい。他のお母様のコメントを読ませていただいてもほんとに簡潔に上手に書いてらっしゃるのに・・・ぐだぐだで失礼しました。
どうか御身体お気をつけて。
先生のコメント楽しみに待ってます。(歴史、地理、文化何でも大歓迎です。)
by カンガー
引率者は地理の教員ですので、常に「距離」とか「スケール」とかが思考の基礎となっているような気がします。
三田ママさんがおっしゃるとおり、子どもたちは確実に視界を広げています。パース空港に到着直後、「あ、外国人ばっかりだ」と言った研修生がいました。この正直なつぶやきに「いや、ここでは君たちのほうこそ・・・」という言葉を飲み込み、黙っていることにしました。
1週間たって、自分のほうが外国人だと気づき、自分の文化を相対的に考え始めている研修生たち。また、「オーストラリア」と一括りに語っても、地域によって、家庭によって、個人によって、行動様式や考え方は違っているのは当然です。毎朝、お互いのhomestay について他愛のない会話を繰り広げる生徒たち。会話の最後には必ず全員が「うちのfamilyがやっぱり最高だ。いいfamilyでよかった」と確信するのです。こういう中で、自分の在り方について考えとともに、日本での自分や家族についても思いを致すようになってきたようです。国境をまたぐような「スケール」でものを考えることが、自分の身近な「スケール」を改めて意識する大切な機会となりつつあるのだと思います。
カンガーさん、引率者もそんな研修生たちとの「距離」の取り方の難しさを痛感しています。教師はとかく何でも教えて正解まで導きたがる生き物ですから・・・。どんな言葉や問いをかければいいのか、考えさせるほうがいいのか、答えを教えてやるべき事柄か、その時々にさまざまに考えています。
それが親御様ともなれば・・・。お気持ち、お察しいたします。しかも、物理的にも8000キロ`弱も離れていれば、なおさらです。でも、子どもたちも親元を離れたからこそ考えられることがあるのだとも、個人的には思うのです。(などといいながら、私は親としては駆け出しのヒヨッ子です。悪しからず。)
と、長々と口幅ったいことを書きましたが、これがダメなんですよねぇ。大人になると新しいものに触れても、これまでの知識で処理しようとする。処理しきれないもの受け付けない。若いころのようにように異文化に全身全霊でぶつかっていくことができなくなってしまっている自分に愕然としています。やっぱりあんあまり研修生に口出ししないほうがいいですか・・・ねぇ?いろいろ考えず、私も楽しむことにします。
日本は猛暑と聞いています。皆様、ご自愛のほどをお祈りいたします。