

今年の人権講演会は、本校大講義棟を会場に、陸上競技(走り高跳び)のパラアスリート 鈴木 徹選手をお招きして開催しました。鈴木選手は現在、SMBC(三井住友フィナンシャルグループ)日興証券に所属され、来年、開催される「東京2020パラリンピック」に出場する予定です。
1980年生まれ、山梨県出身で、中学、高校時代はハンドボール部に所属し、高校在学中には山梨県代表選手として国体で3位に入賞されました。大学への進学が決まり高校卒業を直前に、交通事故に遭い、右足膝下11センチを残して切断しました。その後、人との出会いやリハビリ等がきっかけで走り高跳びを始められ、わずか3カ月でシドニー2000パラリンピックの大会参加基準である1m73cmをクリアし、日本人初の走り高跳びの選手として出場を果たされました。
2006年のジャパンパラ競技大会で日本記録を更新する2m00cmを跳び、当時世界で2人しかいない義足での2mジャンパーとなられました。日本人選手団の旗手を務めた北京2008パラリンピックでは5位入賞。ロンドン2012大会、リオ2016大会ではそれぞれ4位に入賞されています。日本初となる義足のプロアスリートとして、自身の経験を活かし、小中学校や大学、企業など、全国各地で積極的に講演活動も行っておられます。
今日の講演では、ご自身の人生での様々な出来事を通して、偶然とも言える「出会い」が自分を変えるきっかけとなったこと、その出会いを確実にキャッチしていくことの大切さを話されました。また、「生きていくのに必要なスキルをもち磨くこと」「自分の才能を見出すこと」「才能以上に夢中になることが大切」といった内容が印象に残っています。
長い人生、順風満帆にいかないのが世の常です。突然訪れる思いがけず辛いことをどう乗り越えていくか、誰もが経験する幾多の難をいかに乗り越えていくか、その山を乗り越えて成長していく、それが人であると私は考えます。
鈴木選手の人生から学んだ今日の講演は、生徒個々の今後の人生の糧になるものと実感しています。本日はありがとうございました。
今日は、新型コロナウイルス対策で、3年次は会場となった大講義棟で、1、2年次はHR教室でそれぞれ参加しました。今回の講演会から、県事業「学びのイノベーション」と新規購入した音声画像システムの併用により、講演会を別の場所に同時視聴できるようになりました。今後、全校生を対象に「全校集会」「表彰式」「講演会」に活用していきたいと思います。